「紀州のドン・ファン」事件にみる相続②

昨日のブログに補完する形でその②です。


報道によると、兄弟姉妹たちが「遺言書の無効」の訴えを起こしているそうです。


推定13億円とも言われている相続財産です。

兄弟姉妹にとっては「遺言書」の有効か無効かは天と地ほどの差があります。

その理由を説明します。


兄弟姉妹が遺言の無効を訴えているところをみると、

①「紀州のドン・ファン」には子どもがいない

②すでに直系尊属(ご両親や祖父母など)が亡くなっている

ことが推定されます。


上の表でみましょう。

まず、亡くなられた当時の配偶者(今回逮捕された元妻)は、当然に相続人となります。(赤線内)


次に直系卑属(子どもや孫)が相続人になります。(青線内)


その次は、直系尊属(両親や祖父母など)です。(紫線内)


兄弟姉妹が遺言の無効を訴えるのは、利益があるからでしょう。

そうすると、直系卑属、直系尊属ともにいないことが推定されます。


ここで初めて兄弟姉妹の出番となります。

が、注意が必要です!

兄弟姉妹には「遺留分」が認められていません。

下の表③のケースです。




つまり、有効な遺言書が遺されていて、兄弟姉妹に相続させる記載がないと相続できないのです。


今回の報道のように、「田辺市にすべて寄付する」旨の内容だった場合、

元妻には遺留分があるので請求できますが、兄弟姉妹はできないのです。


天と地ほどの差、とはこのためです。


もし、遺言が無効だったらどうなるのでしょうか。


表左側の法定相続分のように相続します。

元妻:3/4

兄弟姉妹:1/4

兄弟姉妹が複数人いれば1/4をその人数で分けます。


さらに、元妻が今回の逮捕容疑で有罪となった場合はどうなるのでしょうか。


元妻は欠格事由に該当するため、相続人ではなくなります


そのため、


すべての財産を兄弟姉妹で分けることになります。


どんどん、天と地の差が広がっていきます…。


元妻の捜査とともに、遺言が有効なのか、無効なのかにも注目が集まります。




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